11月3(水)~8日(月)、スペインのサンタ・スサンナでボディビルとフィットネスの世界大会『IFBB WORLD CAMPIONSHIPS(国際ボディビル連盟主催世界選手権大会)』が開催され、日本からは13人の選手が出場した。昨年は新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、国内外の大会は軒並み中止を余儀なくされ今年も世界大会の開催が危ぶまれたが、徹底した感染症対策と、渡航する選手にはワクチン接種の徹底と隔離期間を設けるなどして開催できるまでに至った。今回も日本選手が活躍を見せ、さらには2人がカテゴリー優勝という快挙を成し遂げてきた。また、2年ぶりの世界大会となり、以前に増して世界の選手もレベルアップしてきていたが、その中でも“日本人”が勝てる、上位に行ける理由を、出場した選手たちは明確に分かったという。本記事で取材をしたのは、今大会マスターズビキニ45歳以上級5位入賞を果たした関根秀子選手だ。
取材:FITNESS LOVE編集部 写真:中島康介(国内大会写真)
◆世界選手権に出場するにあたり、苦労したこと(減量、隔離期間中、渡航した後に行った最終調整など)
まずは世界選手権に際し渡航、出場出来るのかグランドチャンピオンが終わる頃にも分からずモチベーションをキープする事が難しく感じました。かなりぎりぎりで出場決定を出して頂き準備のお時間が少なく忙しい感じが致しましが、出場する事を前提にコンディションは保っておりましたので調整という所には不安はありませんでした。コロナ化の中での渡航は大変なものでした。検査や機関への登録、トランジットでの行き違いなどがありました。選手権出場と言う事、連盟でのツアー登録でしたので普通の方々よりはスムーズであった事に感謝しております。
スペインは二回目でしたので気候や食文化は理解しておりましたので、オールジャパンより仕上げて行く調整で過ごしました。スペインは野菜フルーツがとても美味しい国ですので食べ過ぎないよう注意が必要でした。四大会同時開催でしたので到着翌日より毎日早朝から深夜まで忙しく自身のコンディションにフォーカスする事も厳しかったのですが、コーチやチームの皆さんにコンディション確認をして頂きとても助かりました。前日になり腹部に浮腫みが出てしまい固形の摂取をやめました。この様な調整に至るもチームのアドバイスが生かされ感謝しております。
◆世界選手権のステージの感想
とても楽しめました。私はボディビルダーの松本さんとペアを組ませて頂きまして一日中フォローして頂きました。パンプアップしては動画をとり確認し客観的に見ては足りない部位のパンプアップと繰り返し行い他の選手と比較していましたので自信を持ちステージに立つことが出来ました。
◆大会が終わった今の気持ち
正直ほっとしております。優勝を目指しておりましたが私のような低身長がどの様に見えるのか分かりませんでした。ファーストコールで呼ばれた時には涙が出てしまいました。
◆世界選手権に出場してみて、海外の選手との間に感じた違いとは
海外の選手は華奢で優美でした。それぞれの選手が個性とオーラを放ち唯一無二の存在。華奢なのにポーズを取ると大きく丸い筋肉が見えるのです。そして筋量の多さに再度驚きました。骨格筋の違いやお顔の小ささにどの様に東洋人が対抗して行けば良いのか考えさせられました。ですが、日本人の年齢より遥かに若く見えるところ、肌の質感は素晴らしいと思いました。
◆世界の選手と並び、見えてきた課題
筋量を増やさなければならないことが一番だと思いました。今年のポージングオーダーでは、力んではいけない・前傾しヒップを突き出してはいけない・余計なプレアクションを行わない。でした。すなわち自然体でシルエットを見せなければならいと言う事ですから筋量と薄い皮膚感が必要です。マスターズは特にその様な傾向でしたので如何に脂肪を乗せず筋量を増やすかが課題です。質感を上げる為にもよりリーンにこのOFFを過ごして行きます。ウエストのサイズは毎日測定して行きます。あとはカーフです。
大腿部に重きをおいておりましがカーフのクオリティを上げて行きたいです。ポージングは更に研究致します。よりシンプルに自身の世界を表現できる様に励んで参ります。最後に、長いシーズン応援頂きました皆様本当にありがとうございました。皆様の応援のお陰でこの日を迎えられました。感謝の気持ちで一杯です。そして早朝から深夜まで選手の為にサポートして頂きました、藤原会長、木下コーチ、美弥子コーチ、鈴木コーチありがとうございました。