――そうした中で、重視されているものは? やはり集中力などになるのでしょうか。
田代 いえ、「ものすごく集中力を高めてトレーニングをしている」というわけではありません。心を穏やかにしながら行っている、という感覚です。
――それが「ケガなく、自然体で」ということですね。
田代 そうです。自然な状態でジムエリアに行って、自然な状態でアップをして、自然な状態でトレーニングをしています。追い込むにしても、気合を入れて…という感じではなく、できるところまできっちりと追い込む。今は「気持ちよくトレーニングをする」ということを重視しています。
――お忙しいという現在、トレーニングはどれくらいの頻度で行えているのですか。
田代 1週間もトレーニングをしないということは体調を崩さない限りありませんが、ここ最近は3日間はできないということがざらにあります。ですから、1週間に4回できればいいという感覚です。
――以前は「3時間の睡眠が取れるのならトレーニングを行う」とおっしゃっていました。
田代 今の私は出張が多いんです。このイースト東京(南砂町)ですと、仕事を終えてから営業時間終了後にトレーニングをしても自分で鍵を締めて帰るということができるのですが、出張先の店舗の営業時間を過ぎてまではトレーニングは行いません。スタッフさんを待たせておくわけにはいきませんから。そうなると、24時間店舗に行くか、その日はトレーニングをしないか、の二択になります。
――トレーニングを行う店舗が変われば、種目も若干変わってくるのでしょうか。
田代 ベンチプレスなどの主要な種目は変えません。そうした種目はきっちりと行って、マシンは店舗によって変わってきますので、いいか悪いかは分かりませんが、そこは刺激が変わることを楽しんでいます。
「数日トレーニングができないくらいでは動じません。1カ月ほどきっちりとやれば、元の体には戻せます」
――2018年の世界選手権大会後には胸の必要性を感じたと。
田代 胸に関しても“普通”に取り組んでいます。ケガなく現状維持できればいいと思っています。もちろん、トレーニングには自分を成長させるために取り組む楽しさもあります。今は、そういう楽しさではないんです。トレーニング自体が楽しい、ということです。
――今は不必要な欲を出さない?