強靭な下半身はバランスのいい身体をつくるためには必須だ。ここでは下半身を鍛えるのに有効的な11種目を紹介する。
文:Brandon Taft 翻訳:ゴンズプロダクション
バーベルスクワット
①バーベルの前に立ち、腕を肩幅より少し広めに開いてバーを握る。バーを握ったまま、バーの下をくぐり、バーを肩の背面に乗せる。人によってはバーを握る手幅を肩幅よりかなり広めにしたほうが安定することもある。その場合はやりやすい手幅を優先して構わない。
②バーを僧帽筋の位置に乗せる。首の付け根あたりにバーを乗せてしまう人がいるようだが、その位置はとても危険だ。僧帽筋の位置(上背部)にバーを乗せて安定させよう。腰幅程度に足を開いて、バーが正しい位置に固定されているのを確認したら、ラックからバーを外す。
③バーを上背部に固定したまま、ゆっくりと数歩後退する。つま先を正面に向け、両足を腰幅より広めに開いて立つ。肘は真下に向いているか、体幹部(背中から腹部の範囲)を固く緊張させているか、顔を正面に向けているかを確認したら、大きく息を吸ってゆっくりしゃがむ。
④動作中は終始、体幹部の緊張を維持しなければならない。尻を後方に突き出すようにしてしゃがんでいこう。膝は内側に入れ込まないこと。膝が内側に入ると膝関節に負担がかかるのでケガのリスクが高まる。膝はむしろ外に開くようにする。また、重心はつま先ではなく、かかとに乗せるように意識しよう。できる範囲で深くしゃがむ。理想は大腿部が床面と水平になる深さだが、そこまでしゃがめなくても問題はない。慣れてくれば可動域も広がるはずだ。
⑤できる範囲で深くしゃがんだら、ボトムからトップまで力強く立ち上がる。脚と背中に力を入れるのだが、このとき、足で床を押し込み、上半身で天井を押し上げるようなイメージを作るとうまくいくはずだ。トップに到達したら一旦停止し、殿筋を意識的に収縮させてから次のレップを開始しよう。
ゴブレット・パルス・スクワット
①ダンベルをひとつ用意する。ダンベルを垂直に立て、上側のプレートの内側を両手で支える。ダンベルはできるだけ身体に近づけておきたいので、肘を曲げて少し高く保持しよう。
②腰幅より広めに両足を開き、つま先を軽く外側に向けて立つ。顔を正面に向け、体幹部を緊張させ、大きく息を吸ったらゆっくりとしゃがむ。しゃがむときは、膝を外側に向け、内側には決して入れ込まないようにする。尻を後方に押し出してかかとに重心を乗せる点は、バーベルスクワットと同じだ。
③ボトムに達したら、7〜10cmほどの範囲で軽く身体を上下させて弾みをつけ、それからトップまで立ち上がろう。バウンドさせることは一般的には勧められていないが、この方法は殿筋やハムストリングへの刺激を強めるのに役立つので、この種目ではぜひ試してほしい。
④トップでは殿筋をしっかり収縮させてから次のレップを開始する。
バーベル・ルーマニアン・デッドリフト
①バーベルを握り、腕を下方に伸ばして大腿部の前に保持する。
②体幹部を緊張させ、尻を後方に押し出しながら上体を前屈させバーベルを下ろしていく。このとき、重心はかかとに乗せておくこと。デッドリフト系の種目では重心位置をかかとにすることで、ケガの防止だけでなく、ハムストリングに効かせるためにも重要になってくる。また、動作中は終始、バーベルを身体から離さないようにしよう。
③膝よりも少し低い位置までバーを下ろしたら、ハムストリングに強いストレッチ感が得られるはずだ。そこがこの種目のボトムポジションだ。そこからトップまで上体を起こす。上体を起こすときは、腰を前方に突き出すようにし、トップでは殿筋を意識的に収縮させよう。
ウォーキングランジ
①まっすぐに立った状態から、右足を前に踏み出して身体を沈ませる。踏み出した右足は膝が直角になるようにする。
②踏み出した右足のかかとは、浮かせずにしっかり床につける。どうしてもかかとが浮いてしまう場合は、踏み出す幅を少し広くしてみるといいだろう。後ろに残した左脚も膝を曲げ、身体がスムーズに沈むようにしよう。ボトムポジションでは、後ろの左膝は床から2.5〜5cmほど浮かせておく。
③右足のかかとで床を押し込むようにして身体を押し上げる。ハムストリングと殿筋をしっかり収縮させよう。
④身体を押し上げて右膝が伸びたら、今度は左足を大きく前に踏み出して同様の動作を繰り返す。
⑤ダンベルやバーベルを持って自重以上の負荷をかけて行うときは、ボトムからトップに身体を押し上げたときに両足を一旦そろえてから次の足を前に踏み出そう。こうすることでバランスを崩さずに動作を継続できるはずだ。
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ハムストリングカール
①レッグカールマシン(ハムストリング・カールマシン)にうつ伏せになり、フットパッドをかかととカーフの間の足首の位置に当てる。
②ゆっくり膝を曲げながらカールさせ、ウエイトスタックを持ち上げていく。かかとをできるだけ尻に近づけ、ハムストリングを最大限に収縮させる。
③トップに達したら、ゆっくり足を元に戻し、ウエイトを下ろしていく。膝が完全にロックされる手前まで膝を伸ばしたら、次のレップを開始する。ボトムでは膝を絶対に伸ばしきらないこと。膝をロックさせることはケガの元になるので注意しよう。
レッグエクステンション
①レッグエクステンションマシンに座り、フットパッドに足首の正面を当てる。
②ゆっくり膝を伸ばしながら、ウエイトスタックを持ち上げていく。トップでは大腿四頭筋をしっかり収縮させることを意識しよう。
③下ろす動作をするときは意識して丁寧にゆっくり行うこと。
ダンベル・ルーマニアン・デッドリフト
①ダンベルを両手にそれぞれ握り、大腿部の正面に保持する。
②体幹部を緊張させ、尻を後方に突き出しながら上体を前に倒していく。重心はかかとに乗せること。
③ダンベルは常に身体に近づけた状態を保つ。身体から離れると下背部を痛める原因になるので気をつけよう。
④膝よりも少し低い位置までダンベルを下ろせばハムストリングに強いストレッチ感が得られるはずだ。ボトムからトップまでは力強く起き上がる。後方に押し出した腰を前に突き出すようにし、トップでは殿筋を意識して収縮させよう。
ゴブレット・ボックススクワット
①座ったときに膝が直角になる高さのイスやボックス台を用意する。動作は第2種目で紹介したゴブレット・パルス・スクワットと同じだ。
②腰幅より少し広めに両足を開き、つま先を外側に向けて立つ。ゆっくりとしゃがんでいこう。重心はかかとに、膝は外側に向けながらしゃがむ。背面に置いたボックス台に尻がつくまでしゃがんだら、かかとで床を押し込むようにしてスタートポジションまで立ち上がる。立ち上がる動作は瞬発力を発揮して行おう。トップでは殿筋をしっかり収縮させる。
ボックスステップアップ
①ボックス台を用意する。ボックス台にはさまざまな高さのものがあるが、ボックスが高くなればなるほど運動の難易度は増し、ハムや殿筋への刺激は強くなる。自分の実力に合わせてボックスの高さを選ぼう。
②ボックスから15〜20cmほど離れた位置に立ち、左足をボックス台に乗せる。このとき、足裏全体をボックス面にしっかりつける。
③ボックスに乗せた左足を押し込むようにして身体を押し上げ、膝が伸びたら、床に残した右足もボックスに乗せる。
④両足がボックスの上でそろったら、右足からからボックスを降りる。
⑤次のレップでは左足から動作を開始し、左右交互に行うようにする。
カーフレイズ
①ブロック台を用意し、つま先だけを乗せて立つ。
②拇指球でブロック台を押し込むようなイメージで身体を上方に押し上げ、かかとを持ち上げる。
③かかとをしっかり持ち上げたら、それがこの種目のトップポジションだ。トップではカーフをしっかり収縮させること。
④かかとをブロック台より低い位置までゆっくり下ろす。下ろしきった地点でカーフをしっかりストレッチさせる。この動作を繰り返す。
片足カーフレイズ
①まずは右足つま先だけをブロック台に乗せて立つ。左足は動作の邪魔にならないように、後方に軽く曲げておく。
②拇指球でブロックを押し込むようなイメージで身体を上方に押し上げ、かかとを持ち上げる。
③かかとをしっかり持ち上げたら、それがこの種目のトップポジションだ。トップではカーフをしっかり収縮させること。
④かかとをブロック台より低い位置までゆっくり下ろす。下ろしきった時点でカーフをしっかりストレッチさせる。
⑤目標のレップ数を終えたら左足も同様にして行う。