日本ボディビル選手権現王者・相澤隼人選手は、上から翔さん、飛鳥選手、翼選手の3人の兄を持つ4兄弟の末っ子である。4兄弟の中でもボディビルに取り組んでいるのは飛鳥選手と翼選手と隼人選手なので、本記事タイトルでは「3兄弟」となっているが、実際は4兄弟なのだ。今回その兄弟の中で注目するのは、ボディビル兄弟の上・相澤飛鳥選手である。飛鳥選手は、弟隼人選手とともに17歳からボディビルにのめり込み、実力をつけてきた一人で、大学生時代には全日本学生ボディビル選手権準優勝、昨年は日本クラス別ボディビル75㎏以下級で準優勝という輝かしい成績を作ってきた、近年の日本トップボディビル界でも注目すべき選手の一人でもある。今回はその飛鳥選手のトレーニングなども含め、自身のトレーニング論などを取材した。(月刊ボディビルディング2021年12月号から引用修正)
取材:月刊ボディビルディング編集部 写真:中島康介
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「好きなトレーニング部位は背中と三頭筋。1発1発と動かす度にパンプしてくる感覚がたまりません」
高校時代柔道部に所属し、そのときの先輩に誘われたのがきっかけで、柔道そっちのけでトレーニングにハマりました。当時は、月・金曜日上半身、水曜日下半身のルーティーンでした。上半身はベンチプレス、ペックフライ、チンニング、マシンプルオーバー、バーベルショルダープレス、ダンベルサイドレイズ、バーベルカール。下半身はハーフスクワット、レッグプレス、レッグエクステンション、レッグカール。それぞれ気が済むまでやり込んでいました。現在は5分割(胸と肩、四頭、オフ、腕、ハムストリング、背中、オフ)で行っており、メニューは次のページの通りです。
トレーニング時間は60分~90分で、集中力が持続しないので、短時間で高強度のトレーニングを心がけています。脚はトレーニング時間が長くなるため、2019年のオフから前後で分けて実施しています。好きなトレーニング部位は背中と三頭筋。1発、1発と動かす度にパンプしてくる感覚がたまりません。得意部位は胸、苦手な部位は四頭筋です。食事については、オフシーズンは必要な栄養を摂りきることを前提に、それ以外に食べたい物を気が済むまで食べます。前回のオフでは間食や夕食後にドーナツ、即席めんなどを結構食べていました。オンシーズンに入ると、休日に1食だけ好きな物を食べ、それ以外は決められた栄養を摂るように過ごしています。これで、だいぶストレスなく減量が進みました。
最近の減量については、今回のテーマとして、摂取カロリーを落とさないということを決めていました。減量スタート時の摂取カロリーは3500キロカロリーで、有酸素運動を朝食前に40分~60分行い、消費カロリーを高めて絞るという考えです。減量のペースは月2㎏で、特に停滞することもなく落とせました。自分の場合質感が緩いので、コンテストの1ヵ月前からはたんぱく質を2/3に減らし、減った分炭水化物を増やすことで摂取カロリーを維持します。
今後は、毎年アップデートした身体で各コンテストに臨みたいと思っています。強者揃いのコンテストの中で、自分のフレームと上半身の筋肉の丸み、厚みは武器になると思っています。一方下半身のセパレーション、フォルムは相対的に劣って見えてしまう所なので、トレーニングのアプローチやポージングでの見せ方を研究し、万全の体制で本番に臨みたいです。