ジムエリアに所狭しと並べられているトレーニングマシン。トレーニーならば初めて行ったジムで初めて見るマシンと出会った際にはわくわくするもので、それはまるで大人の遊園地のよう。しかし、マシンの特性を理解し、正確に使いこなしている人はどれほどいるだろうか。「どのように使えばいいのかよく分からない」「使ってみたけど負荷が抜ける感じがする」「軌道が体のサイズに合わない」などなど、ここではマシンに関する疑問の数々を鈴木選手が解決。トレーニングマシンの使いこなし術を解説していく。今回はマシンそのものの総論と胸のトレーニングにおける活用法についてだ。
取材:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩
◆第6回 ハンマーストレングス使用時のワンポイント◆
大胸筋上部を鍛える
大胸筋上部を狙いたい場合は上方向に押し込む軌道のインクラインチェストプレスを選ぶ。インクラインは鏡を見ると特に肩が前に出やすくなるので視線の方向に注意。
軌道と動作について
ハンマーストレングのチェストプレスは斜め上の軌道(ややインクライン気味)のため、狙う部位は胸の中部の上の部分になる。勢いは使わず、終動でしっかりと絞り込む。
大胸筋下部
大胸筋下部を狙いたい場合が下方向に押し込む軌道のデクラインチェストプレスを。どのマシンでもチーティングには頼らずに、スティッキングポイントでも我慢してギュッと押し込むように。また、デクラインはシートの傾きで軌道を調整しているため無理に鏡を見たりせず、体をシートの傾きに合わせる。
ワンハンドは是か否か?
胸のトレーニング種目の支点は基本的には胸の中心部(胸骨)になる。これがワンハンドになると支点が肩になり、回旋動作が入るため胸に入れるべき刺激が逃げやすくなってしまう。よほどの上級者ではない限り、ワンハンドは避けたほうがよい。
鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。