数あるトレーニングマシンの中でも背中のマシンはラット系、ロウイング系など種類が豊富。だからこそ、マシンの意図をしっかりと読み解いて適切な使い方をしなければ、例えば「広背筋下部を狙いたいのに大円筋に効いてしまう」なんてことにもなりかねない。ポイントは「軌道」「グリップ」「シート」「足の位置」。今回から、背中のトレーニングにおける最大限の効果を得るための方法を鈴木雅が解説する。
取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩 大会写真:中島康介
「柔軟性が低い人がラットマシンを一般的なアンダーグリップで行うと、肩が開いて……」世界王者・鈴木雅選手が解説!
背中のマシンを使用する際に気を付けるポイントは「軌道」「グリップ」「シート」「足の位置」の4つになります。最初に考えるべきは「軌道」です。マシンの軌道には意味があり、マシンの軌道に筋肉の動きが合っていないと、なかなか効かせることはできません。グリップも、そのマシンごとの特徴があります。例えば、肩関節の柔軟性が低い人がラットマシンを一般的なアンダーグリップで行うと、肩が開いて親指側でバーを引っ張るため腕の力を使いがちになってしまいます。これがハンマーストレングスのフロントラットプルダウンのように「逆ハの字」の形をしたハンドルであれば、スムーズに引くことができます。
また、筋肉の動きを軌道に合わせていく上でも重要になってくるのが「シート」の設定です。シートが固定されているラットマシンでも、シートが高いマシンと低いマシンとでは効かせやすい部位が変化してきます。さらに、ロウイングのマシンでも、膝を伸ばしてフットプレートに足をつけて行うものと、チェストパッドがあり、足を床につけて行うものとではターゲットとする部位が変わってきます。こうしたことを把握した上で、自分の目的に合ったマシンをチョイスしていきましょう。