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競走馬以上の筋肉脚を持つ佐藤茂男「またスタートラインに戻ることができました」

数多くのドラマが見られた昨年の日本選手権。選手たちはどのような思いで、あの日のあのステージに上がったのか。ここでは男子ボディビル、女子フィジークの各2位から12位までの選手を単独取材。感動の舞台裏に迫る。

取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介

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2021年男子日本ボディビル選手権大会11位・佐藤茂男「またスタートラインに戻ることができました」

2017年からは実質、3年連続の13位という結果でした。ただ、そこで腐らなかったのは、決して無理をしてやっていたわけではなく、やはり好きだからボディビルを続けられたというのはあります。東京選手権を獲って、日本選手権で初めてファイナリストになって……と、駆け上がっていたときは「落ち始めたら辞めよう」と思っていました。でも、私は結局のところはボディビルが好きだし、まだまだ自分は伸びるという自信もありました。ただ、2017年に予選落ちをしたときは、気合を入れて絞って自信満々で会場に向かったんです。コンディションも悪くなかったので、結果を知ったときは「まさか」と思いました。そのトラウマなのか、大会直前になると余計なことをしてしまったり焦ったりしてしまうんです。そして本調子で挑めなかった年が何年か続きました。特に、2019年はそれまでは調子が良かったのに、大会当日だけぺしゃんこの身体になってしまっていました。今年の大会当日のコンディションも決していいほうではありませんでした。大会の2日前に急にぺしゃんこになったんです。もう悔しい思いはしたくなかったので、大会前日にたくさん食べて、なんとか張りを戻せたという感じです。

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全体的に見たらそこまで悪いコンディションではなかったのですが、1週間前のほうが調子は良かったと思います。今回は久しぶりに間近でトップ選手の方々の身体を見られて、また自分自身がステージに上がっている姿を客観的に見て、改めて自分の現状を把握することができました。ずっと一人でトレーニングをやっていた私にとって、これは大きな収穫です。自分の足りない部分もより明確になりました。
課題としては、上半身の筋肉の一つひとつの大きさと丸み、密度感です。また、オフの間に股関節を痛めてしまいヘビーなスクワットはできていませんでした。調子は良くなってきたのでこれから高重量を扱って、脚に関しては来年は本当の意味での完全復活を狙いたいです。2013年に初めてファイナリストになったときが11位だったんです。またスタートラインに戻れたという感覚です。ここからまた一つずつ上を目指していきたいと思っています。

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