トレーニング

ジムトレするなら知っておきたいスミスマシン活用法

スミスマシンで
全身のワークアウト

スミスマシンを使った種目だけで効果的な全身のワークアウトを構成することは可能なのだろうか。答えはイエスである。これから紹介するワークアウトは全種目でスミスマシンを用いる。レップ数はセットごとに変化させるが、行うセット数はどの種目も3セットだ。1セット目は6レップで限界を迎える重量を使い、筋力アップに貢献するタイプⅡ筋線維を積極的に刺激していく。2セット目は12レップを行って、筋肥大を促す筋線維を刺激する。最後は20レップのハイレップを行って血流量を増やし、筋中の疲労物質を筋肉の外に押し流す。特に強烈なパンプが得られる3セット目は重要だ。血流量が増加することで老廃物の除去だけでなく、対象筋中に十分な酸素と栄養が供給されるので、これが疲労の回復や筋発達を促すことになる。なお、どの種目もセット間の休憩時間は1分間に制限しよう。

①スミスマシン・スクワット
3セット×6、12、20レップ
②スミスマシン・ルーマニアン・デッドリフト
3セット×6、12、20レップ
③スミスマシン・ランジ
3セット×6、12、20レップ
④スミスマシン・ベントオーバー・ロウイング
3セット×6、12、20レップ
⑤スミスマシン・オーバーヘッドプレス
3セット×6、12、20レップ
⑥スミスマシン・アップライトロウイング
3セット×6、12、20レップ
⑦スミスマシン・ビハインドバック・シュラッグ
3セット×6、12、20レップ
⑧スミスマシン・バイセップスカール
3セット×6、12、20レップ
⑨スミスマシン・クローズグリップ・ベンチプレス
3セット×6、12、20レップ
⑩スミスマシン・スタンディング・カーフレイズ
3セット×6、12、20レップ

スミスマシンは「パーシャルレップ」に最適

スミスマシンを使った種目ではさまざまなトレーニングテクニックを加えることができるが、特に活用できるのがパーシャルレップ法だ。パーシャルレップ法は運動の可動域を制限し、対象筋の緊張を常に最大限に保ったまま運動を継続して行うことができるやり方だ。そのため、対象筋をしっかり追い込みたいときは積極的に採用したいトレーニングテクニックである。スミスマシンにはセイフティーピンがあるため、運動の可動域を制限して強度を高めたいときに、安全にこれを行うことができるのだ。ウエイトに潰される心配がないので、普段よりも重いウエイトを扱うことができる。これもまたスミスマシンだからこそできることだ。

ただし、可動域を限定する場合は、ワークアウトのたびに制限する可動域を変化させる必要がある。例えば全可動域の上半分、下半分、トップから4分の1下ろした地点まで、トップから4分の3の可動域までというようにだ。このようなバリエーションを持たせずに、毎回同じ制限可動域の中で動作を繰り返すと、その可動域での筋力は増すかもしれないが、それ以外の可動域での出力レベルを向上させることができなくなる。幸い、スミスマシンは可動域の細かな制限が簡単に行える。毎回、記録をつけながら、どの制限可動域の中であっても強い出力ができるようにまんべんなく行っていこう。

基本的なパーシャルのやり方は以下のとおりだ。オーバーヘッドプレスを例に説明する。

❶肘関節が完全にロックする地点から数cm(例えば10cm)手前をスタートポジションにする。
❷そこからボトムまでウエイトを下ろし、再びセイフティーピンがあるスタートポジションまで押し上げる。もちろん、トップまでバーを押し上げても肘は完全に伸びないため、常に三角筋の緊張が維持されたままだ。
❸こうしてレップを続けると、セットの最初から最後まで三角筋の緊張は維持され、完全に追い込むことが可能になる。なお、この制限可動域はオーバーヘッドプレスの最大出力地点を含むため、普段よりも10 〜15%重くした重量を使って行うことができるはずだ。
❹最初の制限可動域の中でセットを終えたら、次のセットはセイフティーピンをより低い位置にセットして、さらに狭い可動域の中で動作を繰り返す。こうしていくことで、対象筋はより強い刺激を受けながら、筋力増加のための刺激を得ていくことができるのである。

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