弱点部位を克服するには、まずはその部位をよく理解しておくことが必要だ。弱点部位が胸ならば、胸筋の構造をよく理解し、その上でワークアウトの計画を立てる。胸筋については、以下の事柄を把握しておこう。
文:Sarah Chadwell, NASM-CPT
翻訳:ゴンズプロダクション
胸筋についての知識
❶私たちが胸筋と呼んでいる筋肉は、大胸筋と小胸筋に分けられる。大胸筋は浅層部にある筋肉で、小胸筋は大胸筋の深部に位置している。
❷大胸筋は大きな扇形をした筋肉で、筋肉の始点は鎖骨上、胸骨上、そして腹直筋上部の腱部にある。
❸筋肉の始点は3ヵ所に分散されているが、終点はすべて上腕骨上部にある。そのため扇のような形になる。
❹小胸筋は大胸筋の深部にあり、大胸筋に比べるとはるかに小さくて薄い。この部位が発達しても体表面にその形を表すことはない。
構造から学べること
❶筋肉図を見たことがある人なら分かるはずだが、大胸筋は非常に立体的な形をしている。小胸筋は平たい筋肉だが、表層部の大胸筋は厚みも幅もある大きな筋肉だ。
❷3つの始点があるので、大胸筋を隅々まで刺激するには、部分ごとに適した種目を選択する必要がある。刺激する部分が偏ってしまうとアンバランスな形の胸筋になってしまう。
❸小胸筋をどれだけ発達させても、大胸筋に覆われているので見ることはできない。さらに付け加えておくと、この筋肉を過度に疲労させるようなやり方はオーバートレーニングやケガの原因になるので注意が必要だ。