トレーニング

ディセンディング・ピラミッドで 筋量を増やそう! 実践編

ワークアウトの何を変えたらいいのか? どう変えたらいいのか? そういうトレーニーに勧めたいのがピラミッド法だ。ピラミッド法は今の自分のワークアウト構成種目をそのまま用いることができる。種目は変えず、セット数、レップ数、使用重量を変化させるだけで筋肉に新鮮な刺激をもたらすのだ。

文:Sarah Chadwell, NASM-CPT
翻訳:ゴンズプロダクション

現在、各種目を3セット×10レップずつ行っているトレーニーの場合は、具体的には次のように変わるはずだ。
●ピラミッド法では各種目で行うセット数は5セットずつになる。セット数が増えれば筋肉にとってそれは新しいレベルの刺激となる。
●4レップが限界の重量に挑戦することができる。10レップを1セットにして行うこれまでのやり方とは全く違うレベルの負荷を筋肉に与えることになる。これはトレーニング意欲の向上にもつながるはずだ。
●これまで3セット×10レップ、合計30レップが種目ごとに行う運動量だった。しかし、ピラミッド法を使うことで、種目ごとに40レップを行うことになり、これもまた筋肉にとっては新鮮な刺激となる。

アセンディングとディセンディングの使い分け

重量を増やしながらレップ数を減らしていくアセンディング・ピラミッドと、重量を減らしながらレップ数を増やしていくディセンディング・ピラミッドのどちらを選択するのがいいのだろうか。これについて言えることは「自分にとってより効果的なほうを選択する」というのが答えだ。つまり、試して判断するしかないのである。

◉アセンディング・ピラミッドが好まれる理由
アセンディング・ピラミッドが好まれるのは、これがウォームアップも兼ねたやり方になるからだ。冷えた状態の筋肉にいきなり高重量の負荷がかかれば大きなケガにつながることもある。ケガを予防するには軽い重量から運動を開始し、対象筋やその周辺への血流量を増して温め、その後に高重量でガツンとした刺激を筋肉に与えるのが理想的だ。1セット目から5セット目まで使用重量を徐々に増やしていくアセンディング・ピラミッドがまさにそれである。
アセンディング・ピラミッドでトレーニングを行う場合、最初の1セット目や2セット目で決して対象筋を追い込まないこと。3セット目以降は比較的重量が重くなるので、レップ数は少ないが、対象筋はかなり限界に近づくまで追い込まれる。このようなやり方はケガを予防し、徐々に筋持久力と筋力の両方を向上させることができるのである。
余談だが、3セット×10レップのようなストレートセットで種目を行うとき、2セット目が筋発達には最も有効であることを知っていただろうか。その理由は、2セット目は対象筋と周辺の筋肉への血流量が最も増加した状態で運動が行われるからだ。多くのリフターたちが経験してきたことだが、ウォームアップが十分に行われた状態で1RM(1レップだけできる最高重量)に挑戦すると、自己記録を更新できるケースが多い。ならば3セット目のほうがより筋肉が温まっているので記録更新の可能性が高まるのではないかと思うかもしれないが、3セット目はエネルギーレベルが3つのセットの中で最も低くなるときだ。そのため、3セット目に自己記録を更新する可能性は低いのである。

◉ディセンディング・ピラミッドが好まれる理由
エネルギーレベルが最も高い状態のときに高重量を扱いたいと誰だって思うはずだ。実際、エネルギーレベルが低下すれば、前述したとおり自己記録の更新は難しくなる。前半のセットで高重量を使い、セットごとに重量を減らしてレップ数を増やし、最後のセットで軽い重量でハイレップを行うというやり方は、筋発達を目指す人には特に有効だ。また、後半、たとえ重量が軽くなってもすでに筋肉は前半の高重量で強い刺激を受けて疲労している。そのため、ハイレップで行う軽重量のセットは、低レップで行う高重量のセットと遜色ないほど対象筋を追い込んでくれるのである。
しかし、最初のセットで最も重い重量を使うとなると、ウォームアップはどうしたらいいのだろうか。この点を解決するには、ディセンディング・ピラミッドに入る前に、軽い重量で2セット×低レップのウォームアップを行っておくといいだろう。ただし、あくまでもこれは純粋なウォームアップセットだ。ここで筋肉が疲労するほど追い込まないように注意しよう。

サイズアップのためのディセンディング・ピラミッド

サイズアップに適しているのはやはりディセンディング・ピラミッドだ。具体的な内容についてはあとで述べるとして、行う頻度について先に解説しておこう。
ディセンディング・ピラミッドを使ったワークアウトは、6週間で終了する内容のものをつくる。6週間、ほぼ毎回のワークアウトでピラミッドを組む。ワークアウトはボディビルダーたちが行っているような部位別の内容でつくるといい。つまり、ワークアウト日のたびに異なる部位を刺激する内容で、その中にディセンディング・ピラミッドを組み込むのだ。
ワークアウト日のたびに異なる部位が刺激される分割プログラムでは、その部位を再度刺激する日が来るまでに十分な休養を取ることができる。例えば、月曜日に胸のワークアウトを行う場合、次に胸のトレーニングを行うのは次週の月曜日だ。つまり、どれだけ胸を追い込んでも、疲労回復のために胸は一週間の休養を得ることができる。強烈に刺激してたっぷり休養を取る、ということだ。

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